「堀江保蔵名誉教授に聞く」(『経済論叢』第135巻第4号、1985年)読了。
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堀江保蔵さんに関心を持ったのは、アメリカ研究の斎藤眞さんが「戦前、戦時下のアメリカ研究者は、高木八尺は勿論だけれどもその他にもいろいろいますよ」といった文脈で書いたときに挙げられた一人に堀江がいたからです。
堀江は1937年に『アメリカ経済史概説』を有斐閣から出しますが、本業は日本経済・経営史です。本庄栄治郎門下では日本ともう一つの国をやることが多かったようです。
当該書はいずれ手に入れて読んでみたいですが、彼のアメリカ研究についてはこのオーラルではほぼ触れられていませんでした。
それで下らないことですが、敗戦と同時に京大経済学部教授陣が総退陣した事件について、堀江は経済学部内の派閥争い、それも保守派と進歩派ではなく、進歩派内部の争いであったのではないかと推測しています。
ここでいう、「保守派」や「進歩派」が誰にあたるのか調査の必要がありますが、一つ思い出すのが蜷川虎三がその自伝で自分たちの行った総退陣について(紙幅は殆ど割いていないものの)高く評価していることですね。
こういった人事の話はどうしても興味をもってしまいます。
ごちそうさまでした!